一国一城の主

つづき
私は若かった。恐いもの知らずでした。家の主さん相手に交換条件をだして、家さんは、それを面白がったのか、聞いてくれたんです。本当のようなウソのような、我が家は16年間、予妨接種以外の病気も無く、病院へいくこともなく、かぞくは、病気知らずで15年間を過ごしました。
家さんとの約束は15年間、それがすぎたとき、再契約しなかったんです。自分の力で来たように錯角していたし、お陰さまで・・・なんて言葉をわすれていました。頑張れば、やってのけられると、おごっていたのだと思います。

それでも、家さんは、私達を守ってくれました。いい子供達をこの家に、くれましたし、ウソのように、子供達を立派にしてくれました。
その事を感謝しないばかりか、文句ばかり、反省もしない。
昔はわかかったけど、純粋で真面目だった。良く働いたし、文句を云わなかった。(パパさんとの喧嘩はよくした)
昔に戻らなくちゃア・・・純粋にならなくちゃあ、反省と、感謝を常に思わなくちゃア・・・むかしは、夜ご飯のおかずがなくても、暖かいお日様に、感謝してたし、涼しい風がふいたら、風さん有り難うって素直に思ったんです。

この年になって、あの頃の純朴さをなんて願わないけど、家の主さんに気にいられるように、反省をして、感謝をして、過ごしたいと、心から思っています。うそのような、本当の話です。

山口は、昔から、一国一城の主のように思う所で、常に勤勉を模範とし、それは農家と云っても同じで、洗濯物を表に干さないとか(家の内状が人の知れる)とか、家の回りの物を人様にやるものでは無いとか、おこめは、つねに3年分を貯えるものとか、落城を恐れるお殿さまのような考え方が通っているところです。だから、農家でも、跡継ぎをとても大切に、跡継ぎとして、とくべつにそだてていたのですが、近頃は、没落する家が多くみられ、跡継ぎの多くは、都会でくらし、お年寄りだけの家がめだちます。家さんは、どう考えておられるのか・・・
悲しい現実です。人間性をおもい、平等を云えば、家は潰れてしまいます。
わたしは、家の主さんにどう申し開きをすればいいやら・・・
御時世でしょう!!って云ったら、怒られるでしょうね。 マザー