叔父に添うて・・

結婚式に着る留袖を早いけど会って渡すと言う、従兄弟の電話を待っていた。従兄弟は叔父の入ってる施設に来る。
時間を合わせてそこで会おうと決めてた。そこへ電話。叔父が入院したからと病院の名前を告げられて・・・誤嚥だという。
苦しそうな叔父。誤嚥ってチョコレート色の吐しゃ物は〜?
これって血だよね?( ̄へ ̄|||) 胃カメラで何処からの出血か見ましょうということで・・・胃はきれいだった。
食道が少しただれてた??逆流性食道炎か?今から様子見という事で・・。

叔父の手を握ってたら、遠い昔の思い出が・・この叔父警察官だった。
退職して農業に勤しんでいたが町議選に出ると言い出して・・調子の良い人達に担ぎだされてね。
どうしても出ると言うことで、選挙の参謀に私を選んだ。
( ̄ー ̄?).....??ありゃ??だよね。
決心は固く・・勝ち目なんて無いけどやりたい様にやらせてあげたいと思う私のつたない選挙戦が始まった。
いざ選挙に出ると知った人達は逃げた。叔父も甘くないって嫌っと言うほど知ったと思う。
そんなもんだよ。それが分かったとて辞める時期を逸してしまってるから、もうやるだけやろうと・・
結果最下位だけど当選。2人が落選した。叔父が泣いてたのを始めてみた。

それから4年、真面目な叔父は頑張った。でも田舎の風習に馴染めず、ずいぶん居心地の悪い思いをしたようだけど。
2回目の選挙にも又出たいと言う叔父を止めたのはこれ又、私だった。
誰の言うことも聞かなくて困り果てた家族の頼みで・・
それからまもなく痴呆で大変な生活が始まった。
今は子供さんの顔も分からなくなってると言う。。
叔父の手を握って『○さんが来たよ〜』と言うとニャッと笑っておしゃれな事を言おうと言葉を捜してる。赤い口紅を恥ずかしいからと怒る叔父。
大丈夫、今日は赤くない!
『誰でしょう〜〜?』もう一度従兄弟が問うと『○さん』だって・・
誰にも分からない戦いを二人だけでしたもんね。
いわば、戦友?(=⌒▽⌒=) ニャハハハ♪
年も違うし男と女だし・・でも、戦友だったと思う。
叔父85歳。警察上がりのとてつもなく真面目で頭の固い偏屈な叔父だったけど・・・
その、手を添えてあげたい無骨な生き方が、○さんは好きでした。
ベットで寝ている叔父はなんのてらいも無い好々爺の叔父だった。
人の人生を垣間見て・・・勉強になります!!       *マザー